今勤めている会社が明日倒産する可能性は0ではありません。
特に倒産がほぼ確定している場合、社員の今後を心配して事前に伝えておくところが多いはず。
とはいえ…
- 転職するなら倒産する前と後どっちが良い?
- 転職の不利にならないために準備することはある?
このような疑問も出てくるかと思います。
そこで今回は、倒産寸前の転職について解説したいと思います。
目次
【倒産の前と後】転職するならどのタイミングが良い?
倒産の前後で転職をするなら、どのようなタイミングが良いのでしょうか。
倒産前なら給料がある程度保証されている
倒産前に転職すると、給料はある程度保証されたままです。
働く理由は人によって違いますが、そのほとんどは生活のためになります。
お金の問題=働く事ですので、働いて給料を保証しないと生活が苦しくなってきます。
会社が倒産しないで継続している間に転職すれば、元の給料をもらったまま、失業保険をもらう流れとなります。
倒産前の転職は、自己都合の退職扱いになりますので、失業保険がもらえるまでに多少時間がかかることになりますが、元の給料の何割かは必ず保証されています。
また倒産することが早くわかったのなら、有給休暇をとって倒産前に転職活動をすることも可能です。
うまく行って転職も成功したのなら、そのまま会社のお給料としての収入は維持されることがあります。
倒産する流れになってしまうと、給料カットや手当の減給、あらゆる面でコストをカットしようとする動きが出ます。
そのような流れになってしまうと自分のもらえるお金はどんどん減ってくる一方で、増える保証もありません。
このような状態になる前に、自分で倒産前から有給消化をしながら転職活動をする流れが、一番お金を多くもらえる可能性があります。
失業手当と、給料をカットされた金額はどれくらいの差になるか分からないですが、失業手当が多くなるようでしたら、将来的に確実に転職して安定した仕事に就いた方がお金がもらえることになります。
本当に会社が良くないと気づいたら、早めに転職に向けて行動に移した方が時間の短縮にもなりますし、無駄なこともありません。
倒産後なら最後まで勤め上げた実績がある
倒産後に会社を辞めることと、倒産前に会社を辞めることで一番違うところは、会社を辞める理由が自己都合か会社都合になるかということです。
自己都合は文字通り自分の都合でやめることですので、たとえ内情を話しても、自分が会社を嫌になって辞めることと同じような退社扱いになります。
自分の都合でやめているために、失業保険はすぐにもらうことができません。
自己都合でやめると職業安定所の手続きを踏みながら、数か月後に失業保険がもらえる仕組みとなっています。
一方会社都合とは、会社の都合でやめることになってしまったということになりますので、倒産したという事実はこの中に入ります。
ですから給料は自分の都合でなくなったわけはありませんので、不可抗力としてすぐに払われることとなります。
この時間のロスがない、という面では倒産後まで勤めあげることのメリットといえます。
もちろんそれから就職活動をおこなうことになって、就職が決まればそのまま新しい会社で給料をもらう流れとなります。
転職活動はすぐにうまく行くとは限りませんので、新しい就職先で働くまでに時間がかかることもあります。
そのために、この方法は今すぐお金が必要だと思っていない人や、就職先をゆっくり選んでいきたいと考えている人に合っているといえます。
独身者で給料に生活がかかっていない人は、職種にこだわりがあり急いで決めてもうまくいかないように感じている人などは避けたほうが良いです。
それぞれデメリットもメリットもありますので、自分に合うものを選択した方が良いです。
【倒産寸前の会社】転職の際に不利にならないために準備しておくこと
倒産寸前に転職することを決めたのなら、不利にならない為に準備する必要があるといえます。
会社の動向に目を向ける
倒産することや、景気が悪いことは、噂として立っていても実際にそうなるまで落ちるのは意外と時間がかかったり、持ちこたえることもあります。
以前からそのようなうわさが立っている会社は、また落ち着いたらうわさが立つような流れになっていたり、自分が知らないだけでよくあることなのかもしれません。
そのような情報に踊らされないためにも、社内の情報はきちんとつかむべきで、経理や総務、人事担当の人などと日頃から情報交換をしていくと、会社の内部のことがわかることがあります。
会社は景気が良くないと、まず余計なコストを削るような流れとなります。
コストを削る内容は、人件費だったり、会社の備品など余分なものに目を向けられることもあります。
それらを管轄しているのが人事や総務になります。
そして数字の面でより分かりやすく管理しているのが経理となります。
お客様との売掛だけでなく、社内のお金の流れを熟知しているのが経理となりますので、情報として気にかけておいたほうがよいです。
自分が正しい情報を得そうなら行動に移してもよいですし、単なるうわさだけなら、聞き流して焦ることのない状況を察知することは大切といえます。
転職活動する時期を誤らないためにも、日ごろから気を付けておきたいことです。
未払いの給料は請求できる
会社が倒産すると、給料が保証されないと思っている人も多いですが、実は、倒産しても給料が支払われることは国から保障されていることです。
もし未払いが起こっている場合は請求することができますので、労働基準監督署に申し立てすることで道が開けることもあります。
またもし複数の人で給料未払などが起きている場合は、複数人で労働基準監督署に働きかけても有効です。
また自分がどれくらいの給料をもらっているか証明するためにも、給料明細やボーナスなどの明細は取っておくことが必要となり、見せることで証明になります。
給料がもらえなくなってしまったと勘違いしないで、最後まであきらめないことも大切です。
給料がもらえることは、次の転職活動の準備期間としてお金の面で役に立ちます。
倒産する会社からお金をむさぼり取るようで気が引けるという人もいるかもしれませんが、そもそもあなたの時間を会社に注いだことを知っておきましょう。
倒産前の会社は仕事が混乱する
倒産する会社は現場が混乱する可能性があります。
極端な話で、仕入先からお金の請求があったり、各取引先のメーカーなどから入金がないなど督促の電話を受けることがあります。
またいち早く倒産の情報に気づいた社員たちが一斉にやめるなどをして、現場の業務に差し支えがでるようになります。
人が少なくなっているうえに、普段の業務の内容が増え、とても忙しくなるのです。
もちろんそれをやり遂げることに責任を感じ、ピンチを乗り越えることで自分が成長することもあるのですが、そのようなことに自分の労力を使いすぎてしまうと、次の転職活動に影響が出る場合があります。
あきらかに管轄外の仕事を任されることがあったり、自分の手に負えないような仕事が増えてきているようなら、最後まで付き合っていると自分の時間や労力が無駄に感じることがあります。
転職活動をしてその準備をしたいのなら、辞める会社の仕事に尽力するより、自分の転職活動に力を向けたほうが有利です。
何を選んでも最後は自己責任となりますが、転職活動に差し支えるなら避けたほうが良いこともあります。