今まで転職活動を続けてきて、やっと内定をとり、いざ退職することを上司にも既に報告しました。
あなた自身は退職時にまとめて有給消化をしようと思ってそれをためてきたのに、いざ有休消化したいといって見ると、会社からそれができないと言われたり、できるけどさせてくれなかったなんて方は少なくないはずです。
では、退職時に有給消化ができなかったり、させてくれない場合にはどんな対策をとればよいのでしょうか。
- 原則として企業は退職者の有給消化を拒否することはできない
- 拒否が続く場合は、労働基準監督署への相談も視野に入れる
- 退職時でも40日の有給消化が可能
目次
退職時の有給消化はマックス40日!有給休暇の日数と有効期限
社会人にとって有給は大切なものであり、おそらく誰もが今年は〇日有給休暇が出るというのは知っているかと思いますが、退職時に損をしないためにも改めてそれを押さえていくと同時に、その有効期限についてもご紹介したいと思います。
以下は、勤続期間に対しての付与される有給休暇の日数です。
勤続期間 | 付与日数 |
---|---|
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月 | 20日 |
※週に30時間以上、もしくは5日以上労働する方の場合
これは、年に付与される最大有給日数が20日で、それを2年間丸々ためた状態のことを指すのです。
退職を考えている方は今すぐチェック!あなたの残りの有給日数の調べ方
現職をこれから退職する方で、確実に有給が残っているけど、あまりに多すぎてどれだけ有給日数が残っているのかわからない方もいるでしょう。
そんな方にその調べ方をお伝えいたします。
給与明細をチェック!
1番最近の給与明細をチェックすると、残りの有給日数が記載されているので、確認しましょう。
もし、おかしいと思う点があれば、すぐに総務や人事に相談しましょう。
総務や人事に直接チェック
明細書がなければ総務や人事など、社員の管理をする部署に有給残数を確認してください。
勤怠システムなどでチェック
勤怠管理をパソコン行っている場合は、そこから有給残数がチェックできることが多いので、それを確認してみましょう。
会社都合の退職有給消化拒否は違法
転職することが決まり、かねてから退職する時のために有給をため込んでいるという方も少なくないですよね。
しかし、退職することを報告したらそれができないと言われました。
その理由とは何なのでしょうか。
まず、上記で紹介したような方法で、あなたの有給残数を確認して、必ず1日でもそれが残っていることを確認してください。
その上で、有給消化したいのにできないのであれば、あなたの出勤率が80%以下だった可能性があります。
というのも、労働基準法で定められているのが、企業は然るべき勤続期間をクリアした方で、全労働日数の80%以上出勤したものに対して有給が与えられるからです。
例え、この時期に産休や育休をとっている方であっても、これは「出勤」と、みなされるので、有給付与の対象となります。
しかし、有給が出ているということは、あなたが80%以上出勤したことが前提となっているので、これは大きな理由とはならないでしょう。
主な理由は、会社側の都合なのです。
退職時に有給消化できるはずなのにさせてくれない!そんな時はどうすればいいの?
法律的に言えば、有給消化は退職時にすることができるはずなのに、それを認めてもらえない、こんな理不尽なことはありませんよね。
では、その際には一体どんな対策をとればよいのでしょうか。
有給の買い取り申請をする
余った有給の買取りというのは、大手企業などでもよく行われていることなのですが、これ、当たり前のような感じで実行されているものですが、実は違法です。
しかし、退職時の有給の買取りだけは例外になっているので、これを盾にすることができるのです。
既に、そのことについて就業規則に記載されていることもあるし、しっかりと確認した上で上司や人事、総務に取り合ってみるといいわ。
自宅から「仕事ができる時に」対応させてもらうようにする
結果的には完全なる有給消化とはなりませんが、個人PCを持たせてもらっている企業や、自宅のPCから企業のシステムにログインできる場合であれば、在宅勤務が可能ですよね。
これを利用して、「仕事ができる時にさせてもらう」というような対応を許可してもらえば、少なくとも会社に行く必要はありませんし、「仕事ができる時に」なので、決まった時間仕事をする必要がないので、ある程度は休暇気分を味わえます。
それでもダメなら労働基準監督署へ
色々な妥協案を出したものの、「有給消化は認められない」という一つ返事しか返ってこなかった場合には、労働基準監督署へ告発しても良いでしょう。
結果的に、これはあなたのためだけでなく、これからその企業を退職する際に有給消化したい方にとっても助かる措置となるはずです。
退職日までに有給消化できなかった!そんな時はどうする?
在職中の企業自体、退職前の有給消化は認めてくれる会社だとしましょう。
しかし、あなたの退職までの勤務日数は30日なのに、申請を忘れてしまったために、40日ある有給がうまく使えなくなってしまいました。
その際にはどうすれば良いのでしょうか。
この場合も、有給消化ができなかった時と同じような対処法となり、まずは買い取り請求を企業にするようにしてください。
それで許可されれば、その分がしっかりと後日支払われたかをチェックして、問題なければそれで終わりです。
しかし、それが支払われなかった場合には、もう1度総務や経理、人事に相談して、支払い請求をしましょう。
退職時の有給申請はいつまでにするのがベスト?
一般的に、有給申請をする時には、会社全体、それにあなたの部署や課、さらにはあなた自身の仕事が落ち着いていて、尚且つ、周りの人とかぶらない日に有給申請を出しますよね。
申請を正式に出す前に同僚や上司にも相談するはずです。
しかし、退職時となるとちょっと特殊で、特に、残った有休消化をしたい場合には、日数も多いだけに、この申請をいつからすればよいのか悩む所ですが、どうなのでしょうか。
「法律的に言えば」、あなたに有給が20日分残っていたとして、3月末に退社申請を出しているのであれば、2月末を最終出社日として、残りを有休消化することもできます。
しかし、特に中小企業ともなれば、1人抜けた際の穴埋めが大変なので(大手の場合はその分社員がいるので、何とかなることが多いです)、「就業規則によりそれはできない」などと言ってくることも少なくないでしょう。
会社の中の「法律」にあなたを縛るのです。
しかし、それよりも労働基準法の方が当然効果は高いので(法律に基づいていない就業規則を設けているだけでもブラックです)、この点はどのようにでも抵抗することができます。
とはいえ、基本的には、立つ鳥跡を濁さずではありませんが、残された社員に迷惑をきたさないたこと、それに、あなたのクライアントにも支障がきたさないよう、余裕を持った申請をすることがベストです。
これはあなたの持っている権利なので、一切申し訳ないと思う必要はないのよ。
もちろん、これができない方は多いでしょうが、それならば、社会人としてやってはいけないことですが、その日に「発熱した」などと言って、何度か有休を利用するのも手です(最悪の場合の手段)。
そうならないよう、転職を始めたころから徐々に有休を処理したり、転職活動にそれをあてるのも効果的です。
有休消化の平均日数とリアルな有給消化の実態もチェック!
有給休暇は最大40日保持することができますが、あまり40日丸々消化された方というのはきいたことがありませんよね。
では、退職時の有休消化をする場合、何日が一般的な日数となるのでしょうか。
実はこれ、結論から言えば、皆さんそんなに多い日数をとっていないのです。
特に、理由が転職ともなれば、残された人に迷惑をかけるという意味合いもあるのでしょうが、退職申請をしてから転職までにそんな期間がないためにこうなっていることが予想されます。
1番多い日数が、消化0~4日程度で、この数値はほぼ50%にのぼっています。
続いて9~12日、17日以上、5~8日と続きます。
ただ、ここには休むことも義務と考える外資系企業も含まれています。
その結果、実質的には有休消化できた日数は8日前後だったという方が多くなっています。
残っていた有給休暇をすべて使うことができたかというアンケートに対して、52%(半数以上)の方ができなかったとしています。
では、有給申請できなかった理由とは何なのか、想像できるかと思いますが、見ていきましょう。
- 給消化するのが気まずかった(申請しづらかった)
- 仕事が忙しすぎた(引継ぎもぎりぎりだった)
- 転職先の入社日まで余裕がなかった
- すべて有休消化できると知らなかった
退職時に有休消化ができるようにするなら前もって計画するのがベスト!
退職時に有休消化できなかった方は日本では2人に1人以上いるほどの確率なのです。
あなたもその1人にならないよう、計画的に有給を消化するのが1番です。
それができない時には、上記のような買い取りを交渉したり、それでもダメなら監督署へ報告するなどの措置を取り、あなたに損がないようにしましょう。