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育児休業給付金って何?
まずは育児休業給付金とは何なのか、これを知らないと話は始まりません。

育児休業給付金とは、従業員が育児休業中に申請すればもらえる給付金のことを言います。
これはあなたの勤めている企業から出るものではありません。
育児休業中には働くことはできないけど給料は必要、しかし、働いていない人に対して企業も給料を与えるわけにはいかないので、そういった人のために国が育児休業給付金を出して生活が困らないようにするという策です。

だから、必ず育児休業給付金がどういったものか、どのようにしたら給付されるのかについてしっかりと理解する必要があるわ。
育児休業給付金はどんな人がもらえるの?
では、一体どんな人たちが育児休業給付金をもらうことができるのかを見ていきましょう。
これにはいくつかの条件がありますので、下記をご覧ください。
1歳未満の子供がいること
育児休業給付金が申請できるのは、生まれてから1歳未満のお子さんがいる間のみとなっています。
単純に、お子さんが1歳を過ぎてしまうと、その受給資格から外れてしまうため、できる限り早く対処した方が良いでしょう。

雇用保険に加入していること
雇用保険に加入していなければ育児休業給付金の受給資格はありません。
つまり、自営業の方というのは、この時点で受給資格から外れてしまうということになります。
育休をとる前に月に11日以上働いた月が12ヶ月以上あること
正社員で働いているという方は、毎日フルタイムで働いているはずですので、受給資格はありますが、
必ず、1年以上は今の企業に勤めていることがマストとなります。
注意しなければならない方は、パートタイムで働いている方や契約社員の方です。
月に11日以上働いた月が12ヶ月以上連続しているという方はこの場合、正社員のようにほとんどの方がクリアしているはずです。
どのような契約になっているかで給付資格があるかどうか判断できます。
また、条件を満たしていない場合、妊娠後にそれを満たそうとしても後の祭りというケースがほとんどであると考えておきましょう。
育児休業中、毎月、休業開始前の月の給料の8割以上が支払われていないこと
例えば、毎月20万円の給料をもらっていた方が、育児休業中に16万円以上の給料を受け取っている場合には受給資格はありません。
育児休業中の就業日数が毎月10日以下であること

育児休業給付金って一体いくらもらえるの?


結論から言うと、金額に関しては個人差があります。
というのも、あなたがもらっている給料がベースとなって決められるからです。
では、育児休業給付金の計算方法を見ていきましょう。
育児休業開始時の給料の日額x支給日数(一般的には30日)の67%
※ただし、育児休業が始まってから6か月経過した後は50%になります
ただ、「育児休業開始時の給料の日額っていくらだろう?」と、誰もが思うでしょう。
これは、事業主が提出する「休業開始時賃金月額証明書」に載っている金額の休業開始前の6ヶ月の賃金を180(6ヶ月)で割ったものです。
つまり、あなたが直近6ヶ月に受け取った給料の平均が20万だった場合には以下の通りとなります。
6ヶ月目以降: 200,000×0.50=100,000円
旦那さんが働いているという場合には、たとえ給料の50%しかもらえない給付金であってもやっていけるでしょう。
逆にシングルマザーで、父親となる相手から経済的な補助が一切出ない場合にはちょっとこれだけだとキツイですし、基本となる給料が少ない場合には生活に支障をきたすことがあるでしょう。
しかし、育児休業給付金はシングルマザーの方に関しても規定の額の給付となりますので、その点は押さえておきましょう。
育児休業給付金ってどうやったらもらえるの?
産休や育休をとる場合、働かないでもお金が受け取れる育児休業給付金は何が何でも利用したい所です。
では、育児休業給付金はどのようにすれば受け取ることができるのか、その申請方法をご紹介しましょう。
ほとんどは事業主(あなたの会社)が提出しますが、あなた自身が提出することも問題ありません。
しかも、あなた自身が提出すれば、通常2ヶ月に1度しか給付されない育児休業給付金が毎月入るというメリットもあります。
まず、必要な書類は下記の通りです。
・育児休業給付受給資格確認票:企業の所在地を管轄するハローワークにて交付。
・(初回)育児休業給付金支給申請書:企業の所在地を管轄するハローワークにて交付。
※現在、マイナンバーの記入も必要になっているので、用意しておきましょう。
さらに、企業側は、賃金台帳もしくは出勤簿のコピーも支給証明書に添付する必要があります。
・育児休業給付金を受け取る際に必要な受取口座通帳のコピー
これらすべてをまずは用意します。
その上で、以下のような流れで手続きを行ってください。
1:育児休業給付受給資格確認票、育児休業給付金支給申請書をあなた自身が記入して、母子健康手帳や受取口座の通帳のコピーを合わせて会社に提出する
2:育児休業給付受給資格確認票、育児休業給付金支給申請書、休業開始時賃金月額証明書と必要な添付書類(賃金台帳もしくは出勤簿、母子手帳と受取口座の通帳のコピー)をすべて、管轄のハローワークに提出する


世界の育児休業給付金ってどうなっているの?
「日本の育児休業給付金はケチくさいな」なんて思っている方はいませんか。
しかし、日本の育児休業給付金は世界的に見ても良いものです。
では、世界の育児休業給付金事情をご紹介しましょう。
アメリカ
1歳に満たないお子さんがいる方で、雇用保険に加入者が育児休業をした場合、原則として休業開始時の賃金の50%の給付を受けられます。
しかし、育休期間は産後8週間(自然分娩の場合)しかないため、総合的に見て、給付される金額の総額は少ないといえます。
メキシコ
1歳未満のお子さんがいる方は、産後45日の育休が得られ、育児休業給付金は通常の給料よりも10~20%アップした金額を得ることができます。

フランス
少子化対策で不妊治療の実費もほとんどないという話題のフランスですが、この国の育児休業給付金でも第1子に関しては日本よりはよいとは言えません。
育休自体は3年とることができても、育児休業給付金は6ヶ月間しか支払われません。
ただし、2人目以降は3歳になるまで支給され、第1子もそれ以降も月額552.11ユーロとなります(3人目以降は例外あり)。
ドイツ
先進国であり、日本人に似ている性格であるとされるドイツですが、育休は男女共に3年間とることが可能というのは日本と異なる点です。
育児休業給付金は両親共に取得することができ、基本的には12ヶ月、最長14ヶ月受給資格が得られます。


中国
働き者の中国は、やはり育休期間(産休と呼びます)少ないです。
産後83日の育休があり、この間に育児休業給付金も支払われますが、給料ベースではなく、あなたが務める企業が掛けている社会保険の基数をベースとしていて(日本の平均月額賃金のようなもの)、その全社で平均した額をベースとして計算されます。

育児休業給付金は誰でももらえるものじゃない!事前に理解を
あなたが20代や30代の女性であれば、周りに育児休業給付金をもらって育休生活をしている方もいるはずです。
そのため、働く女子が誰でももらえるようなイメージがありますが、実際にはいくつかの条件が上記のようにあります。
あなたにお子さんができた時にスムーズに育児休業給付金が受けられるようにするためにも、ここで育児休業給付金についてきちんと理解しておくことが重要です。